第7章 過失相殺
● 過失相殺
交通事故の被害者の方に不注意や落ち度がある場合,
「過失相殺」と言って,損害額から一定割合が減額されることがあります。
過失相殺の基準としては,東京地裁民事交通訴訟研究会編「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(全訂4版)」(別冊判例タイムズ16号)が主に用いられています。
この書籍では,
- ① 歩行者と四輪車・単車との事故
- ② 四輪車同士の事故
- ③ 単車と四輪車との事故
- ④ 自転車と四輪車・単車との事故
- ⑤ 高速道路上の事故
の類型ごとに,事故の内容に基づく過失の割合を掲載しており,ある程度の過失割合の目安は分かる内容となっています。
なお,一般に,被害者の方の過失が0と認められる場合としては,停車中の追突事故,信号無視による交差点での事故,対向車のセンターオーバーによる事故であり,
その他の事故では被害者の方に不注意や落ち度が認められることが大半となっています。